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帯電とボディアース

シリンダーとピストン、そしてボディアースのお話をします。
シリンダー、ピストン、ボディ(車体)は、正電荷と負電荷を持っていて、正電荷と負電荷は互いに引き合う力=吸引力があるので、ふだんは正・負の電荷が結合しています。

正電荷と負電荷

シリンダーとピストンの仕事は、熱エネルギーを運動エネルギーに変えること。 さあ、仕事の時間です。
ピストンが往復運動をはじめると、その衝撃でピストンの中の正電荷と負電荷が離れ離れになってしまいます。 とくに負電荷は自由に動きまわることができるので、ピストンの外に出ていってしまうものもいます。 そのため、ピストン内では負電荷がなくなった正電荷が多い状態になります。この状態を帯電したといいます。 すると、ひとりぼっちになった正電荷は、周りを覆っているシリンダーから負電荷をひっぱり込みます。

電荷の移動

そんなことをされたら、今度はシリンダーの負電荷が少なくなってしまいますね。 シリンダーは足りなくなった負電荷をおぎなうために、またどこからか、負電荷を探してこなければなりません・・・。 これでは、仕事の能率が下がる一方です。
そこでボディアースの登場です。 ボディアースは、帯電したシリンダーとピストンをボディ(車体)に接続することによって、ボディの持つ負電荷で中和することができるのです。 正電荷と負電荷のバランスが整ったシリンダーとピストンは、やっと安心して仕事ができるようになりました。

ここまでは、ストーリー仕立てにしましたが、 実際はシリンダーやピストンを直接ボディアースにつなげることはせず、エンジンヘッドやエンジンマウント部から配線されています。

仕事量が多いということは、摩擦抵抗や衝突抵抗が大きいということです。 それらの抵抗によって、帯電が発生します。 仕事量が多いエンジンにボディへの配線が施されている理由の1つは帯電の中和ためです。 また、このエンジンとボディアースの配線は主電源ラインでもあり、中和のための電荷の移動が電流となって通電することになります。